9.13次元波動方程式
3次元波動方程式は
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢(1)
である。ただし、3次元のラプラス演算子
Δ
は
Δ≡𝜕2𝑥+𝜕2𝑦+𝜕2𝑧
である。
この方程式(1)を、初期値
𝑢0,𝒙,˙𝑢0,𝒙(2)
のもとで解きたい。この節では、この解を与える。また、ソース項
𝑓
がある場合
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢+𝑓
についての解も求める。
9.1.1初期値問題の解:式(3)
1次元波動方程式(1)の場合、初期値問題の解は、常微分方程式の解に微分演算子を形式的に代入して求めることができた(7.2節)。3次元波動方程式の場合も同様に、形式的な解は
𝑢𝑡,𝑥=(cosh𝑣𝑡√Δ)𝑢0,𝑥+sinh𝑣𝑡√Δ𝑣√Δ˙𝑢0,𝑥
と書ける。これは実際に計算することができ、以下の【9.1-注1】の式(3)のようになる。
【9.1-注1】3次元波動方程式の初期値問題の解:キルヒホッフの解の公式
3次元の波動方程式
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢
の初期値問題の解は、初期値
𝑢0,𝒙,˙𝑢0,𝒙
のもとで、以下のようになる:(キルヒホッフの解の公式)
𝑢𝑡,𝒙=𝜕𝜕𝑡∫|𝒙′|=𝑣𝑡Δ𝑢0,𝒙−𝒙′4𝜋𝑣2𝑡+∫|𝒙′|=𝑣𝑡˙𝑢0,𝒙−𝒙′4𝜋𝑣2𝑡(3)
証明
(未)
9.1.2波動が伝わる速度は 𝑣
式(3)を見ると、波動が伝わる速度が
𝑣
であることが分かる。これは1次元の波動方程式の場合と同じである。特に、
𝑢𝑡,𝒙
は、
𝒙
を中心とする半径
𝑣𝑡
の球上の初期値だけで決まっている。これは、3次元の場合の特徴である。
9.1.3体積力がある場合の初期値問題の解:式(4)
ソース項
𝑓
がある場合の波動方程式
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢+𝑓
の初期値問題の解は、デュアメルの原理により
𝑢𝑡,𝒙=𝑢0,𝒙+∫|𝒙′|<𝑣𝑡Δ𝑢0,𝒙−𝒙′4𝜋|𝒙′|+∫|𝒙′|=𝑣𝑡˙𝑢0,𝒙−𝒙′4𝜋𝑣|𝒙′|=+∫𝑡𝑡′=0∫|𝒙′|=𝑣(𝑡−𝑡′)𝑓𝑡′,𝒙−𝒙′4𝜋𝑣|𝒙′|(4)
となる。
9.1.4シミュレーション
3次元波動方程式の数値計算を行うと、右図のようになる。同図左は初期変位
𝑢0,𝒙
のみがある場合、同右は初期速度
˙𝑢0,𝒙
のみがある場合である。
𝑢
の値は、球の体積で表されている。青が正、赤が負の値である。
周期的なソース項がある場合、右図のようになる。
9.22次元波動方程式
2次元波動方程式は、式(1)において
Δ≡𝜕2𝑥+𝜕2𝑦
としたものである。
9.2.1初期値問題の解:式(5)
2次元波動方程式の初期値問題の解は、以下の【9.2-注1】で与えられる。この場合もやはり、波動が伝わる速度は
𝑣
である。
【9.2-注1】2次元波動方程式の初期値問題の解:ポアソンの解の公式
2次元の波動方程式
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢
の初期値問題の解は以下のようになる:(ポアソンの解の公式)
𝑢𝑡,𝒙=𝜕𝜕𝑡∫|𝒙′|<𝑣𝑡Δ𝑢0,𝒙−𝒙′2𝜋𝑣√𝑣2𝑡2−|𝒙′|2+∫|𝒙′|<𝑣𝑡˙𝑢0,𝒙−𝒙′2𝜋𝑣√𝑣2𝑡2−|𝒙′|2(5)
証明
(未)
9.2.2体積力がある場合の初期値問題の解:式(4)
ソース項
𝑓
がある場合の波動方程式
¨𝑢=𝑣2Δ𝑢+𝑓
の初期値問題の解は、デュアメルの原理により
𝑢𝑡,𝒙=𝜕𝜕𝑡∫|𝒙′|<𝑣𝑡Δ𝑢0,𝒙−𝒙′2𝜋𝑣√𝑣2𝑡2−|𝒙′|2+∫|𝒙′|<𝑣𝑡˙𝑢0,𝒙−𝒙′2𝜋𝑣√𝑣2𝑡2−|𝒙′|2=+∫𝑡𝑡′=0∫|𝒙′|<𝑣(𝑡−𝑡′)𝑓𝑡′,𝒙−𝒙′2𝜋𝑣√𝑣2(𝑡−𝑡′)2−|𝒙′|2